総務省消防庁情報による火災と一酸化炭素中毒事故情報
一酸化炭素中毒での死亡報道が多い建物火災
最近、建物火災の際に、一酸化炭素中毒により死亡したり動けなくなり焼死する報道が多く報道されてますね。
暖房器具事故、5年で77人死亡 - 火災やCO中毒、冬は注意をhttps://t.co/em99C0a0vW
— 共同通信公式 (@kyodo_official) November 25, 2021
そこで、設置義務化されている住宅用火災警報器が、建物火災の際に役に立っているのかどうか疑問に思い総務省消防庁のホームページ情報から有用と思われる情報を探してまとめてみました。
一酸化炭素が発生する場所とタイミング
火災以外でCO(一酸化炭素)が発生するタイミングとして、ガス警報工業会パンフレット情報「こんな時にCO(一酸化炭素)が発生します」にとても分かりやすく記載されています。
一酸化炭素発生タイミング
- 小型湯沸器の給気口やフィンがホコリや油で詰まったとき。
- 寝たばこにより布団などにタバコの火が落ちて燻ったとき。
- 屋内に煙突付き風呂がまのある場合で、煙突の付いたガス器具を使用している場合。
(お風呂を使っているとき、お台所や脱衣場の換気扇を回してしまうと煙突から排気ガスが室内に入りCO中毒を起こすことがあります。)- 煙突の付いたガス器具の場合
(煙突がズレたりハズレたり、穴が開いているとCO(一酸化炭素)を含む排気ガスがもれる危険性があります。)火災以外に 換気不足 器具の整備不良による不完全燃焼でもCO(一酸化炭素)が発生します。 ガス警報工業会パンフレット
出典:消防庁ホームページ(http://www.fdma.go.jp/)
一酸化炭素濃度と警報器の検知タイミング
寝たばこ火災
消防庁資料の中に、寝たばこ火災について「一酸化炭素中毒事故に関する検証(第2報)寝たばこ火災の無炎燃焼による一酸化炭素の流動拡散」
という資料があり、火災の際の一酸化炭素の流れに対する調査を行っています。実験内容や手順が詳細に記載されており読了するのに時間を要するため、短時間で危険性を理解できるように簡潔にまとめました。
時間があれば、消防庁ホームページ(http://www.fdma.go.jp/)のhttps://www.fdma.go.jp/singi_kento/kento/items/kento135_21_sanko05betten.pdfファイルをダウンロードして一読することをお勧めします。
一酸化炭素の危険性
一酸化炭素の危険性は、血液中で酸素を運搬する役目を持つヘモグロビンと一酸化炭素との結合のし易さ(酸素の200倍以上)にあり、血液の酸素運搬能力の低下による酸素不足にあります。
血中一酸化炭素濃度には「COHb 濃度」が使われ、該当資料中では、COHb 濃度と体に表れる症状に以下の関連があるとしています。
出典:消防庁ホームページ(http://www.fdma.go.jp/)
https://www.fdma.go.jp/singi_kento/kento/items/kento135_21_sanko05betten.pdfファイル内表1警報器の作動時間の差
部屋の天井中央と壁上部に、煙感知式住警器(光電式)と一酸化炭素警報器(SnO2半導体方式)をそれぞれ設置し部屋の各ポイントで一酸化炭素測定器により一酸化炭素濃度を測定しながら行っている。
出典:消防庁ホームページ(http://www.fdma.go.jp/)
https://www.fdma.go.jp/singi_kento/kento/items/kento135_21_sanko05betten.pdfファイル内表3一酸化炭素濃度と COHb 濃度
資料では、一酸化炭素濃度に対する中毒の症状と、所定濃度の一酸化炭素を所定時間吸引した結果を下図に整理している。
出典:消防庁ホームページ(http://www.fdma.go.jp/)
https://www.fdma.go.jp/singi_kento/kento/items/kento135_21_sanko05betten.pdfファイル内図13資料での結論
枕元相当の位置の、寝たばこ火災による無炎燃焼で発生した一酸化炭素濃度は、一酸化炭素警報器や煙感知式住警器が火災を感知し、作動するよりも早い着火後約29 分で約 900ppm に達し、継続して吸引した時の COHb濃度は推定値で 30%を超えた。
これは避難行動に障害が生じる可能性がある濃度であった。一酸化炭素警報器が作動したのは、着火後約 55 分であった。
この時の枕元相当の位置のCOHb 濃度推定値は 60%を超えていた。
煙感知式住警器が作動したのは、天井中央に設置したもので着火後 58 分 16 秒、壁体上部に設置したもので着火後 61 分13 秒であった。このことから、寝たばこ火災において煙感知式住警器が作動した時には、より致命的な状態になっている可能性が確認できた。と資料では結論づけています。
出典:消防庁ホームページ(http://www.fdma.go.jp/)
https://www.fdma.go.jp/singi_kento/kento/items/kento135_21_sanko05betten.pdf
火災から身を守ることを考えるなら一酸化炭素感知機能も必要
消防庁ホームページ別資料では、「意識低下に対する対策について」対策として火災や CO(一酸化炭素)を検知する機能が一体化した複合型警報器(下記)が紹介されています。
楽天市場製品
CO(一酸化炭素)を検知する機能が一体化した複合型警報器の多くは、
安くても8,000円を越え、楽天市場で8000円~9000円で販売されている住警器。
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