自分で取り付ける火災報知器

2023年2月4日

住宅用火災報知器を自分で取り付けよう

住宅用火災警報器の設置が、

2004年の消防法改正により新築住宅への設置義務化となってから10年以上
既存住宅への設置義務化完了から

10年の歳月がたっています。

住警器の製品寿命は標準で10年です。

場合によっては電池切れや故障を検知する自動試験機能付製品がありますが、複数年の間電池切れや故障メンテナンス不足のまま設置されている 住宅用火災警報器(報知器)があります。

設置後10年経った点検・メンテナンス不足の住警器の状態

住宅用火災警報器の未動作(故障)の原因。
定期的な電池交換やメンテナンスが必要
長期間放置しておくと電池切れ メンテナンス不足で火災を検知できない場合があります。

点検のメンテナンスの勧め
この機会に一度点検を実施し住宅用火災警報器が正常に機能しているか確認し、不調な場合は交換をしましょう。
住宅用火災警報器には、自分でできる簡単な手動点検機能があります。

住宅用火災警報器は、政令と住いの市町村条例で決められた取り付け位置・種類を間違えなければすれば、自分で取り付けが可能です。

自分で取り付ける 住宅用火災報知器(火災警報器)

有効性のある住宅用火災警報器(報知器)の設置は大切です。
住宅火災による死亡の7割が、火災に気づくことに遅れたことが原因です。

出典:消防庁ホームページ
https://www.fdma.go.jp/relocation/html/life/juukei.html

住宅火災による死者数も、火災報知器(火災警報器)を取り付けた住宅は、火災報知器(火災警報器)を取り付けていない住宅に比べ、約2分の1弱程度(上図)となっており火災報知器の有効性は実証されています。

主な火災の原因

気温が低下してくると、火に対するほんの少しの油断やコンセント周りの掃除不足・劣化した暖房器具の使用・料理中の手順ミス(複数食品の加熱)が火災に至る場合があります。
火災の原因として考えられる要因には十分気をつけましょう。

注意すべき火災原因

1.タバコ

タバコの消し忘れに注意。
一旦消しても火種が残る場合があります。


火災の原因として今でも最も多いのがタバコの不始末です。
一旦消したはずのタバコの火種が残り、時間が経って出火の原因となるケースが多くあります。

早期検出には普段から煙が発生することの無い居間 寝室に煙式住宅用火災警報器を設置するのが有効です。
消防法令による政令では寝室と寝室がある階の階段上部に 煙式住宅用火災警報器を設置 が義務付けられています。

1-1電子(加熱式)タバコも火災の原因になります。

電子タバコ 加熱式タバコ
可燃ごみと一緒に不用意に廃棄すると火災につながります 。

加熱たばこはたばこを含む成分を、加熱して、吸引する製品です。
そのため火災発生危険が低いのが特徴です。
しかし、製品内部の加熱部分(ヒーター)の温度が300℃近くに達する製品もあるので、可燃ごみと一緒に不用意に廃棄すると他のごみに引火して火災につながります。

早期検出にはゴミ箱を設置してある部屋へ熱式 煙式住宅用火災警報器を設置するのが有効です。

2 ファンヒーター石油ストーブ

部屋干しの引火に注意しましょう。
部屋干しによる引火
石油ストーブキャップのゆるみからの灯油漏れへの引火
キャップのゆるみからの灯油漏れへの引火

転倒時消化機能が充実してきましたが、キャップのゆるみからの灯油漏れへの引火、不用意な設置による転倒による引火、室内干しの洗濯物への引火などまだまだ住宅火災の要因の多くを占めます。

また一旦引火すると早く広まるので感度の高い熱式 住宅用火災警報器 を設置しましょう。

石油ストーブから灯油ファンヒーターへ交換したり、早期検出には部屋干し専用室内や目の届かない子供の遊び部屋への熱式 住宅用火災警報器が有効です。

室内の一部の火災が部屋全域に拡大するフラッシュオーバー:flashoverは、構造物により数十秒~数分といわれています。
消防法の政令や市町村条例で定められる設置個所では、居間は住宅用火災警報器の設置外がほとんどですが、目の届かない箇所で火災要因がある場合は、政令 市町村条例の設置個所以外に状況に合わせて設置することがお勧めです。

3 コンセントからの出火

ショートによる出火

コンセントにたまったほこりや湿気によりプラス端子とマイナス端子がショートし出火する場合があります。

消防法の政令や市町村条例で定められる設置個所では、居間は住宅用火災警報器の設置対象がほとんどです。
テレワークなどでパソコンや通信機器、プリンターなど重要な機器を多く使っている仕事部屋では、外出時のことも考え無人となることも考え、政令 市町村条例の設置個所以外に状況に合わせて設置することがお勧めです。

4 調理中の不注意による出火

てんぷら油などの加熱のし過ぎにより出荷する場合があります。
てんぷら油などの加熱による出火

てんぷら油を加熱したまま電話対応をおこなったり、訪問者に対応しててんぷら油を加熱していることを忘れると火災につながる(20~30分後に着火します)ことになります。

台所への火災警報器の設置は、お住いの地域の市町村条例で規定されています。
地域により取り付けが義務付けされている場合と任意の場合があります。
取り付けの義務付けは 普段の調理で煙が出ることもあり熱式住宅用火災警報器がほとんどです。

住宅用火災警報器の有効性

住宅用火災警報器により早期に火災を検出しタバコやてんぷら油が原因となり火災となりかかった状態が大きな火災至らずに済んだ事例が報告されています。

住警器の有効性

1.タバコを吸って完全に消さず灰皿に入れて置き立ち去った後、タバコの燃え残りがバランスを崩し火が落ちました。誰もいないため気が付かないときに煙式住宅用火災警報器が作動し、ぼや火災ですみました。

2.てんぷら油加熱中に調理方法をパソコンで長時間参照していたため、てんぷら油が高温(てんぷら油は約360℃から380℃程度で発火します。)となり、カーテンを焦がしてしまいました。
市町村条例で定められた熱式住宅用火災警報器が作動したので火災に気づき、ご主人が消火器で消し止めました。

3.たこ足配線で誇りまみれのまま掃除をしていなかったコンセントが、バチバチという音を立て発火した。
すぐにブレーカーを落とし、電源ケーブルが焦げた内に消し止めたが。

4.灯油ファンヒーターの上に衣類が落ちて着火 してしまったが、煙式住宅用火災報知器が作動し、火災に気づいたためぼや火災で消し止められました。

住宅用火災報知器(火災警報器)の取り付けは義務化されています

2004年6月2日の 消防法第9条2の改正により、住宅用火災報知器(火災警報器)の取り付けと維持が義務化となっています。

第九条の二 
住宅の用途に供される防火対象物(その一部が住宅の用途以外の用途に供される防火対象物にあつては、住宅の用途以外の用途に供される部分を除く。以下この条において「住宅」という。)の関係者は、次項の規定による住宅用防災機器(住宅における火災の予防に資する機械器具又は設備であつて政令で定めるものをいう。
以下この条において同じ。)の設置及び維持に関する基準に従つて、住宅用防災機器を設置し、及び維持しなければならない。
 住宅用防災機器の設置及び維持に関する基準その他住宅における火災の予防のために必要な事項は、政令で定める基準に従い市町村条例で定める。

出典 電子政府の総合窓口(e-Gov)
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323AC1000000186

取り付け規則

取り付けの期限は、住宅の種類により分かれています。
 
  新築住宅は、2006年6月1日 から。
 
  既存住宅は、2008年6月から2011年5月31日までに設置を完了する。

2021年現在では、設置完了義務から10年を経過していることもあり日本全国すべての家屋に取り付ける義務があります。

罰則

(火災報知器(火災警報器)の取り付けは義務化とされていますが、取り付けないことに対する罰則は有りません。)

取り付け実態(総務省消防庁調べ住警器の全国の推計設置率)

2013年でも8割の住宅に設置されているのみです。

寿命や故障・電池切れで放置されたままの製品を考えると機能する住警器の割合はもうすこし低くなるのではないかと考えられます。

住警器 : 住宅用火災警報器設置割合

H25.6.1時点における総務省消防庁調べ住警器の全国の推計設置率
出典:「2013年 総務省消防庁調べ 住警器の全国の設置率調査結果
(消防庁)
引用ページURL
(2021年10月01日に利用)

住宅用火災警報器(電池式)は自分で取り付け点検・交換ができます。

住宅用火災報知器(住宅用火災警報器)は、会社や学校にあり監視パネルと連動した大規模なものではありません。

天井や壁などに製品単体として設置し、火災を見つけてアラーム音や音声で住宅内に知らせるものです。
製品の多くが、リチウム電池内蔵の住警器で、自分で取り付けることができます。

中には、多数の住警器を連動するため移法接点(他の住警器と連動するための端子)を持ち、100v電源工事が必要な製品がありますが、この場合は、電気工事士の資格を持つ担当者の作業が必要となります。

【注意事項】

市役所 や 消防署は、一般の家庭に 火災警報器を販売していませんので訪問販売や押し売りには注意しましょう。

住宅用火災報知器(火災警報器)は、ホームセンターや通販などで適切な製品を購入することができます。

10年経った住警器の交換は、電池式でもメーカーが本体交換を推奨している場合があります。
交換前に確認をお勧めします。

住宅用火災警報器の取り付け義務は誰にあるの?

■火災報知器の取り付け義務は、以下の人に有ります。

1.住宅の場合はその所有者・管理者、
 
2.賃貸アパート/マンションの場合は、オーナーまたは借受人

住宅用火災報知器を選ぶポイントは?

自分で取り付ける為に火災報知器を選ぶポイントを整理しました。

住宅用火災警報器を選ぶポイントページに整理してありますので参考にしてください。

住宅用火災警報器を選ぶポイントページ では以下の7つの項目に分けて説明しています。

1.住警器の安全性

2住警器の価格と取り付けが必要な個数

3.火災感知方式と取り付け場所

4.住警器の性能

5.住警器の取り付け易さ

6.住警器の点検とメンテナンス

7.その他の留意ポイント

自分で火災報知器を取り付けるまでの手順はどうするの?

  自分で火災報知器を取り付けるまでの手順ページで説明しています。

火災報知器(住警器) お役立ち情報リンク

住宅用火災報知器等に関するQ&A

1.火災報知器の住宅内での取り付け場所は?

2.火災報知器を取り付けるときの免除は?   
        

3.二世帯住宅への火災報知器の取り付けは?

【参考】
不明な点は総務省消防庁 住宅用火災警報器相談室 で受け付けています。

総務省消防庁
住宅用火災警報器相談室 0120-565-911 
月曜から金曜までの午前9時から午後5時まで (12時から1時を除く)(土、日及び祝日は休み)

本サイトにおける火災報知器の呼称について

本来は、住宅に設置され火災を感知し警報を発する装置としては、住宅用火災警報器が正式な呼称です。
しかし、本サイトにおいては一般的に馴染みのある「火災報知器」 の呼称を併用して使用させて頂いています。

 

Posted by staff